fc2ブログ
味な宿みゆきの杜

プロフィール

miyukinoaji

Author:miyukinoaji
北信州の大地で育まれた美味しい食材をふんだんにつかって心を込めてお作りしています。

最新記事

最新コメント

味な宿★みゆきの杜
ミカン狩りとラーメン
ミカン狩り

初日の大移動に比べると、二日目は比較的ゆったりした日程を組んでいた。

朝9時からはミカン狩りを楽しむ。
あらかじめ指定された集合場所へ行くと、ミカン農家さんが待ち構えていた。
果たして私たち一家は軽トラの荷台に乗せられ、ミカン山へと向かった。
4_20201124224213f6b.jpg

私たち、まるで映画の主人公みたいだね。

とはるかが言った。


農家さんの案内でミカン山に入る。
今収穫しているのは早生種の温州ミカンで、若干酸味が感じられる種類とのこと。
12月に入れば本種の石地ミカンの収穫がはじまるらしい。
5_202011242242132f7.jpg

6_20201124224215da6.jpg

木によって味わいが微妙に異なるのもまた果物狩りの楽しみである

お土産用に10kg、買い求め持ち帰ることにした。
8_202011242242164ce.jpg



大崎上島へ

午後は大崎上島渡る。
かつて勤務していた海運会社ナビックスライン南柏寮の寮長だったS氏が大崎上島にお住まいなのである。
二十歳前から約30年間、ジャパンラインの外航船の賄コックとして乗船したのち47歳で陸に上がり人事畑を歩み、その後同社の独身寮の寮長に就任、1991年入社の私はその独身寮で約3年半、S氏のまかない飯を食べて育った。

退職後も年賀状でのやり取りだけは続いていて、毎年ミカンを送ってくださった。
父上がミカン農家であり、退職後、後を継ぎ御年82歳の現在も現役のミカン農家として活躍中である。

2年前、バイクで訪れた時、22年ぶりの再会を果たし、それから2年、家族を連れてお目にかかることになった。

当初はお宅のミカン農園でミカン狩りを楽しませていただく段取りになっていたのだが、新型コロナ感染拡大の折、他県ナンバーが小さな集落に長時間留め置かれるのは精神衛生上よくないと判断、前日に電話を入れ、島内の温泉旅館で落ち合うことになったのである。


大崎下島小長港発11:37のフェリーで上島明石港へ向かう。
フェリー乗り場のまえの直売所で、さきほどのミカン狩りのおっちゃんが、熱心にミカンを売りさばく姿があった。
せっかくなので立ち寄ってみた。
2_202011261729463d0.jpg

しまなみ海運 第五かんおん
1_20201126180850e9c.jpg

12_20201126180852ad6.jpg

波の立たない内湾専用船ゆえに、航海速力はわずか9ノットと実につつましい。


定刻にもなっていないのに、フェリーは出航した。ギリギリで駆け込んでくる乗客などいないということか。

クルマを載せて島から島へ。 わずか15分の船での移動は地元民にとってみれば、飯山市民が飯山線で長野へ行くのと同義に違いない。
しかし、それは信州人にとって、異文化体験そのものであり、テーマパークのアトラクション乗車と同じくらいの価値のある時間なのである。
5_202011242310343ec.jpg
京都ナンバーの原付がずらりと並ぶ車両甲板。
125ccと50ccが入り混じるが、よくぞ集団で広島まで走ってきたものだと感心する。

4_2020112423103267b.jpg

それにしても大崎下島から上島にかけての海域をは、周囲を島が取り囲んでいる。そこはまるで湖のような様相を呈していて、にわかには海だとは信じがたいような風景でもある。

時間はやがて12時。 木島平を出発する前から、ランチはここと決めていた。
9_20201124231049dbc.jpg

人気店とあって順番待ちを余儀なくされる。

メニューはラーメンといなりずしのみという、一風変わった構成となっている。



2年前、バイクで瀬戸内を訪れた。
しまなみ海道のある島で囚人が脱獄し全国ニュースでも頻繁に報じられていた。
囚人は、着の身着のままだったゆえに、近隣に潜伏していると判断、ただちに周囲の島々に捜査線が張られた。
尾道から向島へフェリーで渡った折、下船した向島運航の乗り場で検問中の警察官に声をかけられた。


― 木島平って、どこですか?

― 長野県です。

― 原付で遠路はるばるお疲れ様です。これからどちらへ?

― 今日はしまなみ海道で今治、そのあと、フェリーに乗って大崎上島にわたります。

― 上島ですか!私以前赴任していたことがあるのですが、そこの「徳森食堂」ってところのラーメンが絶品ですよ

― それはいい話を聞きました。ぜひ行ってみます。


他愛もない雑談に花が咲いた。
全く検問とは程遠い問答に、職務怠慢ではないかとも思われたが、瀬戸内の人の親切さに触れたひと時でもあった。

もちろん、大崎上島に渡った時、そのラーメン屋を目指したのは言うまでもない。
その時以来の3回目の訪問だった。



名簿に名前を書いて順番を待つ。

幸い、食べログでの投稿数がまだ少なく、レビューは3.2そこそこゆえに、よそ者の行列はそこまでひどくはない。


大体、食べログもあまり信用はできない。

投稿数が多ければそれに比例してスコアが上がる仕組みになっているのがよくない。

例えば、コーヒーの世界では日本屈指の絶品コーヒーを提供する山形鶴岡のコフィア。
同サイトのスコアはわずか3.2そこそこである。

だが、一応コーヒーを生業にする者に言わせれば、コフィアでコーヒーを飲むという行為は、テレビに出てくるような有名シェフの店、例えばイタリアンの落合務氏、和食の道場六三郎氏、フレンチの坂井宏行氏などの店で食事するのと同レベルのハナシなのである。

だが、コフィアはあくまで頑固おやじが切り盛りする田舎のコーヒー屋の域を脱してはいない。

今後、何かのきっかけで人気に火がついてコフィアが行列店になってしまったら、おいそれとは通えなくなってしまうのでそれだけは勘弁願いたいものだが。

そもそも店主の門脇氏も有名店の行列など迷惑千万であり、もしそんな事態に陥ったとしたら、きっと店を閉めてしまうだろう。


ハナシは逸れてしまったが、ここ徳森食堂のメニューはラーメンと、いなりずしのみである。
まるで能生のあさひ楼のごとしである。
7_20201124231047c6e.jpg

8_2020112423104187f.jpg

二日連続のラーメンに、正直、ゆずかは辟易としていたに違いない。 が、あえて口にはしない。成長したものである。
ラーメンの代わりにいなりずしを4個注文、、黙ってほおばっていた。

ちなみに斜め向かいの菓子店一正堂製菓のレモンケーキ、ブランデーケーキも徳森食堂とセットで訪れる人が絶えない。
大崎上島のかくれB級グルメの代表の2店と言っていいだろう。

6_20201124231048df4.jpg
菓子店の前には地元の小学生と思しき賑やかな軍団が、釣竿をたずさえ、互いをからかい、ふざけ合っているいる。

訊けば、サビキでアジを狙うらしい。

一人の少年が熱心に仕掛けの手入れをしている。

お菓子屋の前で小学生がたむろする光景など、すでに失われた昭和の光景だと思っていただけに、母ちゃんどもども小さな感動を覚える。

木島平にはまずこんな小学生の軍団は存在しない。

どこかに遊びに行くといえば、迷うことなく親が車で送り迎えするのが当たり前となっている長野県である。
瀬戸内の子供たちが羨ましいと、心底思った。
スポンサーサイト